轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

むらさきだいなごん

紫大納言

坂口 安吾

在线阅读坂口 安吾《紫大納言(むらさきだいなごん)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,899 字 · 26 页

青空文庫

大納言は天女のかいなを執り、ひきおこした。

天女は嘆き悲しんだが、大納言の決意の前には、及ばなかった。

大納言の言葉のままに、彼の召使う者の棲家へ、歩かなければならなかった。

さて、燈火のもとで、はじめて、天女のありさま、かお、かたちを見ることができたとき、その目覚ましい美しさに、大納言は魂も消ゆる思いがしたのであった。いかなる仇敵であろうとも、この美しいひとの嘆きに沈むさまを見ては、心を動かさずにはいられまいと思われた。

伽羅も及ばぬ微妙な香気が、ほのぼのと部屋にこめて、夜空へ流れた。

ともすれば、うっとりと、あやしい思いになりながら、それをさえぎる冷たいおののきに気がついて、大納言は自分の心を疑った。今迄に、ついぞ覚えのない心であった。胸をさす痛みのような、つめたく、ちいさな、怖れであった。

大納言は自分の心と戦った。

召使う者にいいつけて、うちかけを求めさせ、それを天女にかけてやったが、そのとき、彼は、うちかけの下に、天女をしかと抱きしめて、澄んだししあいの官能をたのしみたいと思っていた。いや、うちかけをかけてやるふりをして、羅の白衣すら、ぬがせたい思いであった。