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ぜったいむじゅんてきじこどういつ
絶対矛盾的自己同一
西田 幾多郎
「思想 第202号」1939(昭和14)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 50,000 字 · 99 页
例えば、動物の眼の如きものでも、無限なる矛盾的自己同一的形成の結果としてできたものであり、動物そのものの種的生命と離すべからざるものでなければならない。矛盾的自己同一的に実在が把握せられる所に、行為的直観というものがあるのである。それはそこに実在の創造的な生産様式が把握せられるということである。生物的生命の種というものも、かかる弁証法的過程によって出来たものでなければならない。この故にその深き根柢には、イデヤというものを考えることができる。イデヤとはイデールではなく、ヘーゲルのそれの如く弁証法的形成作用でなければならない。行為を離れた直観という如きは、抽象的に考えられたものか、然らざれば幻想に過ぎない。生命は動揺的である。そこにはいつも無限なる方向があり、無限に幻想的でなければならない。生命が矛盾的自己同一的なればなるほど爾いうことができる。我々が個性的に深ければ深いほど、幻想的ということができる。しかし矛盾的自己同一的に形成的なる所、行為的直観的なる所に、我々の個人的生命があるのである、真の自己があるのである。我々はそこに絶対矛盾的自己同一として、我々に生死を問うものに対しているのである。