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ぜったいむじゅんてきじこどういつ
絶対矛盾的自己同一
西田 幾多郎
「思想 第202号」1939(昭和14)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 50,000 字 · 99 页
現実は形を有ち、現実においてあるものは、何処までも決定せられたもの、即ち実在でありながら、矛盾的自己同一的に決定せられたものとして、現実自身の自己矛盾から動き行くものでなければならない。その背後に一を考えることもできない、多を考えることもできない。決定せられることそのことが自己矛盾を含んでいなければならない。
右の如く絶対矛盾的自己同一として、作られたものから作るものへという世界は、またポイエシスの世界でなければならない。製作といえば、人は唯主観的に物を作ることと考える。しかし如何に人為的といっても、いやしくも客観的に物が成立するという以上、それは客観的でなければならない。我々は手を有するが故に、物を作ることができるのである。我々の手は作られたものから作るものへとして、幾千万年かの生物進化の結果として出来たものでなければならない。隠喩的でもあるが、アリストテレスはこれを「自然が作る」※ φ※σι※(ギリシア小文字ファイナルSIGMA、1-6-57) ποιε※という。無論斯くいうも、我々の製作が自然の作用だなどというのではない。手が物を作るのでもない。