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「ぞくスウィスにっき」はっくつのしまつ
「続スウィス日記」発掘の始末
小島 烏水
附「スウィス日記」の由来
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,557 字 · 10 页
遺稿、山岳写真等ノ出版ハ、ナスモヨシ、ナサズトモヨシ、遺族友人ノ考ニヨルベシ、
私の書く一文のペンも、泥流を掘り返す鋤鍬と共に、遺稿の発掘品に、ここへ来て行き当る、「続スウィス日記」も、実にこの時に掘り出された一冊であった、これは辻村が大正九年に、子供たちを連れてローザ夫人と共に、瑞西の山村へ里帰りに行ったときの日記である、ローザにしても、辻村や子供たちにしても、その里帰りが、永久の訣別になったわけであるが、当時の日記は『山岳』へ寄稿するつもりで、原稿用紙に克明に浄書してあった(其一枚を巻頭に写真版にして掲げた、又本書に題したスウィス日記、続スウィス日記の文字も、同じ原稿から、手跡通りに模刻したのである)それが泥塗みれになって出て来た「遺稿ノ出版ハ……遺族友人ノ考ニヨルベシ」と任されたわけであるから、高野氏とも、常助氏とも相談して、始めて公刊することにした、従来、地中から発掘された原稿が、刊本になった例としては、英国ヴイクトリア王朝の詩人、ロセッチが、愛妻の死を哀慟するあまり、亡骸の傍らに、追慕の念切なる詩稿を埋めたのが、後に発掘されて、刊行されたという話はあるが、それは初めから有る