轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ぬいこ
縫子
宮本 百合子
「新潮」1926(大正15)年11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,962 字 · 20 页
「勝てばやり方なんかどうでもいい」
と、舌たるいように云った。
「変だね僕こんな筈はないんだがな、見てくれよこれを」
英輔は碁石入の蓋にたまった借貫の南京豆をからからころがした。やッと、英輔が親になった。
「ようしこれで皆の財産総浚いにしてやるぞ。不見(みず)!」
「あらあ」
娘たちが一時に恐惶した。
「小場(こうば)が出ろ! 小場(こば)が出ろ!」
「なあに――シッ! とどうだ。偉いだろう」
「何? あら坊さん? あら! あら! ずるいわ英兄さんずるいわ、そんな一度に二十もの三枚も出すなんて……」
「仕様がないよ、天が我に幸したのさ――あ、誰でもいらっしゃい、出る人は九貫、下りる人は三貫から……」
なみが本当に少しあわてたように、
「困りましたねこれはどうも。出たいようだが九貫は辛いわね」
と、古風な束髪をピンで掻いた。
「じゃ特別八貫にまけます」
縫子は勝負の間じゅう口らしい口は利かなかった。登美が直き嬉しがったり悲観したりするのを姉らしく笑いながら、時々英輔に助けて貰い、また彼の札を覗き込み、遊んだ。彼女は上気せ幸福そうにあたたまっている。背中を少しかがめ体じゅうどこにも力らしい力がなくて若い婆さんのような様子が現れた。