轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せいにょにんぞう
聖女人像
豊島 与志雄
「群像」1947(昭和22)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,549 字 · 28 页
そして私は泣きながら起き上り、彼女をこの箱枕に寝させ、彼女にあの百日紅の花を眺めさせるだろう。それにふさわしい彼女だ。
然るに、この箱枕のために、嘗て怒ったことのない私が、本当に腹を立てたのだ。
尾形と久子とが連れ立ってやって来た。私はもうあまり人に逢いたくない、当分は……。それでも、嫌な顔をせずに彼等を迎えた。――私が家に引籠って、酒ばかり飲んで、寝たり起きたりしてることを、尾形は聞いて、心配してくれたのだ。
彼は怪訝な眼付で、私の様子をうかがいながら、調子は快活に言う。
「どうも病気らしいというから、来てみたら、案外元気じゃないか。それとも、酒気違いというやつかね。」
私は寝床も片付けさせていたし、坐り直していた。髯は隔日に剃るのが習慣で、生えてはいない。髪も毎朝きれいにとかしている。
「そうだね、この通りだ。」
久子が横合から言う。
「でも、いつも寝てばかりいらしたじゃないの。病気らしいと、御自分でも仰言ったわ。」
「いろんなことを考えるのが、つまり思索が、僕の病気さ。そして考える時は、寝ころがるのが、僕の癖だよ。」
「そんな病気や癖なら、あたしもしてみたい。