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せいしょのよみかた
聖書の読方
内村 鑑三
来世を背景として読むべし
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,211 字 · 17 页
のである、人生の重大事とて之に勝る者はない、イエスを信ずる乎信ぜざる乎、彼の言辞に遵うか遵わざる乎、人の永遠の運命は此一事に由て定まるのである、而して能く此の事を知り給いしイエスは彼の伝道に於て真剣ならざるを得給わなかった、山上の垂訓は単に最高道徳の垂示ではない人の永遠の運命に関わる大警告である、天国の光輝と地獄の火とを背景として読むにあらざれば福音書の冒頭に掲げられたるイエスの此最初の説教をすら能く解することが出来ないのである。
若しキリストが説かれし純道徳と称えらるる山上の垂訓が斯の如しであるならば其他は推して知るべしである、若し又人ありて馬太伝は猶太人に由て猶太人のために著されし書なるが故に自から猶太的思想を帯びて来世的ならざるを得ないと云うならば、異邦人に由て異邦人のために著わされし路加伝も亦イエスの言行を伝うるに方て来世を背景として述ぶるに於て少しも馬太伝に譲らないのである、医学者ルカに由て著わされし路加伝も亦他の福音書同様著るしく奇蹟的であって又来世的であるのである、イエスの出生に関する記事は措いて問わずとして、天使がマリヤに伝えし