轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
谷崎潤一郎『聞書抄』。同一底本的分册已合并为一书。收入:聞書抄、覚海上人天狗になる事、紀伊国狐憑漆掻語、三人法師。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,821 字 · 210 页
と、上意の趣、忝う存じます、此方から罷り出て対面いたしとう存じますが、それでは却ってお気遣いもござりましょうから、これへお越しを願います、最後のお暇乞いも申したく、別にお頼み申したいこともござりますからと云う返事である。やがて松田が行ってみると、大膳が出迎え、これ迄お出で下されて満足に存じます、扨お頼みと申しますのは、我等が召使い候者共、最後の供をすると申して聴きませぬ故、いろ/\に申しとゞめているのでござります、もし某が相果てました後に、一人なりとも此の旨に背き、跡を追う者がござりましたら、来世までも勘当いたします、その上その者の一類に対し、五畿内近国をお拂いにして下さりませ、何卒此の儀をくれ/″\もお願い申しますと云う。松田はいたく感動して、御依頼の趣慥かに承知いたしたと答え、大膳と二人で最後の盃を交していると、その隙を窺って郎党共が三人一緒に腹を切った。御最期の御供申さばこそ、勘当をも蒙り候わめ、御先へ参り候上は、何の咎めか有レ之べきと云うのである。残る者共も成る程これは理窟であると心づいて、我も/\と腹を切りかけるのを、松田の郎党や寺の坊主たちまで出で合い、一人に三人も五人も取り付いて、先ず太刀を奪い取った。