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かんぞうせんせい
肝臓先生
「文学界 第四巻第一号」1950(昭和25)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,194 字 · 46 页
大角院長はズバリとこう言って席についたが、これは赤城先生の日常最も経験していたことだから、その感動、感謝、涙を流さんばかりである。あまりのことに、感謝すべき言葉もなく、ただ立ち上って、
「まことに、ありがとうございました」
それが、精一パイであった。
そのとき恩師の大先生は、破顔一笑、
「今日の座長は私ではなくて、完全に赤城風雨先生だったね」
と、やさしい目で赤城先生を見られた。赤城先生は穴にはいりたい思いをしたが、長崎医大の角尾教授、あそか病院の大角院長、いずれも肝臓に関する権威者であるから、その賛成と激励を得て、千万の味方を得た思い、心の奥深くよりわきあがる喜びと勇気は、たぐえるものもなかったのである。
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この温泉町にも、社会健康保険制度が施行されることになった。全町民加入の国民健康保険組合である。
先生はこの町のための足の医者として自ら心に期している人であるから、このモウケのない制度にマッ先に全幅の協力を惜しまなかった。したがって、先生の患者はたいがい国民健康保険のモウケの少い患者であり、自然、県へだす国民健康保険報酬請求書類は、ほかの医者の何倍、何十倍と多いのである。