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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
在线阅读大杉 栄《自叙伝(じじょでん)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 115,021 字 · 230 页
「何のために、戦争に勇んで行くのか」と思うと、父のために悲しむというよりもむしろ馬鹿馬鹿しかったのだ。
宿にはいってからも、父やその部下の老将校等はみな会う人ごとに「これが最後のお勤めだ」と言って、ただもう喜び勇んでいた。僕はまたそれがますます馬鹿馬鹿しかった。
父は僕にただ「勉強しろ」と言っただけで、別に話ししたい様子もなく、ただそばに置いて顔を見ていればいいというような風だった。
お化を見た話
自叙伝の一節
一
僕が九つか十の時、ある日猫を殺して、夜中にふいと起ちあがって、ニャアと猫の泣くような声を出して母を驚かしたことは、前に話した。また、十一か十二の時、隣りの家に毎晩お化が出て、それが一と晩僕の家にも出たそうだということも、前に話した。
が、こんどは僕自身が、しかも最近になって、お化を見た話だ。現にまだ生きてはいるが、しかし確かに怨霊であるだろう女の姿を、真夜中に、半年も続けて見た話だ。
種子を割ってしまえば何でもないことであるだろうが、それはほかでもない、神近の怨霊だ。葉山の日蔭の茶屋の一番奥の二階で、夜の三時頃、眠っている僕の咽喉を刺して、今にもその室を出て行こうとする彼女が、僕に呼びとめられて、ちょっと立ちどまって振り返って見た、その瞬間の彼女の姿だ。