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じゆう
自由
小川 未明
「童話文学」1929(昭和4)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,616 字 · 6 页
日数がたってから、その鳥の名が、☆いかるがであることもわかりました。なんでも、はとの種族に属するこの鳥は、鳥の中でもよく大空を自由に翔ける、翼の強い鳥だということを知りました。
「そんなに、よく飛ぶものを、こんなかごの中にいれておくのは、よくないことだ。」
こう、私は、思ったのです。そのときから、自分は、なにか悪いことをしているような、鳥を見るたびに、良心を責めるものがありました。
「逃がしてやろう?」
そう、思いました。
「しかし、こんなに、尾が短くては、よく飛べないだろう。それに、狭いかごの中に、はいっていたので、羽先がすれているから。」
私は、逃がしても、ねこに捕られると思った。まだ、ここにいるほうが、鳥にとって安全であろう。そう考えると、逃がすことにちゅうちょしました。
寒い冬が過ぎて、やがて春になろうとした。この時分から、いろいろの鳥が、空を鳴いて、渡った。すると、かごの中のいかるがは、竹骨のすきまから、くびを曲げながら、空を仰いで、飛ぶ鳥の影を見送っていました。
「おれも、ああして、かつては、自由に大空を飛んだものだが……。」といわぬばかりに見えました。