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ほどう
舗道
宮本 百合子
「婦人之友」1932(昭和7)年1~4月号(著者検挙のため未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,745 字 · 70 页
長火鉢のわきに縫い直しものをひろげながら、夫と妹とを勝手に話させ、自分は仲間に入って来ようとも、理解しようともしない。
何も彼もウヤムヤで、ミサ子は十一時頃帰りかけた。姉が男下駄をつっかけて門をしめかたがたついて来た。
「じゃ、さっきの話、考えといて下さいね」
「考えとくわ。……でも、姉さん」ミサ子は、我知らず姉の手を押えるようにして云った。「本当に義兄さんには気をつけなくちゃ駄目よ! あんなインチキ事業ばっかり追っかけてたら、それこそ今にドタン場だわよ」
文子はどこまでも受けみに手をとられたまま心配そうに、だが矢張りことの本質はちっとも分っていない風で弱々しく答えた。
「私だってそりゃ気が気じゃないんだけれどねエ……」
三
主任の机はがら空きで、やって来ている連中も、執務姿にはなっているが或る者は廻転椅子をテーブルとは逆な方へ向けて新聞をひろげている。
私用らしい手紙を書いている者もある。
ミサ子は、タイプライタアの仕度をしておいて、膝の上へ婦人雑誌をひろげ読んでいた。
柳が発起して××○○会社に働いてる女事務員の一部が雑誌購読会をもっていた。