轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ほどう
舗道
宮本 百合子
「婦人之友」1932(昭和7)年1~4月号(著者検挙のため未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,745 字 · 70 页
五
狭いコンクリートの階段を三階までのぼって行くと右側に小さい借室が四つ五つ並んでいる。廊下に雑巾バケツや脚立が出しっぱなしになっているという粗末なビルディングだ。
エスペラントの講習会はそこの一室である。
ミサ子が富士絹の風呂敷づつみを抱え、ソッとドアをあけて入って行くと、荒板を打ちつけて拵えたベンチにかたまって板をしわらせながらかけている連中の中から菅が、
「ヤア……ちょうどいいところだ、早く来なさい。みんな食っちまうヨ!」
と大きな晴ればれした声で呼びかけた。
エスペラント講習会には実にいろんな連中がやって来ていた。七八人いる女の中にも、女教師らしい洋装のひともいれば、役所づとめらしい地味な袴姿の三十前後のひともいた。男の方はもっと雑多で、若い勤人、労働者風のものから給仕らしい十六七の少年までをこめている。
めいめいの身分については互に余り喋らなかったが、ミサ子はこの講習会の雰囲気がいかにも親しめた。
講習がはじまるとき、中尾という黒い服を着た独身者らしい中年の講師が、
「この中で英語や何か、外国語を一つもやったことのない人がキットあると思うんですがちょっと手をあげてくれませんか」