轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ほどう
舗道
宮本 百合子
「婦人之友」1932(昭和7)年1~4月号(著者検挙のため未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,745 字 · 70 页
宏大なビルディングの聳え立つ丸の内一帯の風景が、からくりをわって、現実の底から初めてミサ子の前に立ち現れた。最後には必ず大衆によって征服されるべきものとしてそれは示されているのだ。
ミサ子もこの頃は、現在の社会で多くの者を不幸にしているのが一人二人の人間の力、まして××○○会社の穴銭沖本だなどとは思っていなかった。この資本主義の世の中そのものが組立て直されなければならない。だからこそ、××○○会社の内でもミサ子は知らず知らず女事務員たちの間にあって、柳などの助手のような立場に立ち、みんなの不平をあつめたり、一致した行動へみんなを召集したりする仕事に加わるようになったのであった。
柳が恐らく分会員であろうということは、ミサ子をちっとも驚かせなかった。何か当然だという落付いた心持さえした。自分がこんなに闘争の組織に近くいるのだという新しい自覚。自分までその組織に吸いよせられるであろう程、この日本の中に大衆の力はもり上っているのだという生々しい実感が、ミサ子を腹の底から揺るのであった。
焜炉の中ですっかり燃えきった紙が黒いカサカサした屑になってしまうまでミサ子は身じろぎもしないで見届けた。