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しきさいえいがのおもいで
色彩映画の思い出
中井 正一
「映画の友」1951(昭和26)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,123 字 · 5 页
私たちは美学の友人辻部政太郎と共に、この安藤君を助けてぜひ日本色彩映画の最初の試みをしてみたいと、いつも語りあっていた。
またそのころ、芦屋の富豪で音楽家の貴志康一君が、ドイツ留学にあたって、法隆寺を映画に撮り音楽映画として紹介したいという念願をもっていた。私たちは日頃の実験を試みるべく、貴志君の資本でそれを音楽色彩映画にしようとした。しかしその法隆寺撮影は国宝保存委員会の許可を得る見込みがつかなくなってきた。
そこで私たちは思いきって、シネ・ポエムと、アヴァンギャルド映画を撮って、日本色彩映画の最初の試みをもくろんだ。そして魚眼レンズが当時二十三ポイントの暗さであったのを、三・半の明かるさに組みたてることに成功したので、これもこの際試みてみようとした。さらに色彩音楽(カラー・ミュージック)をその中に織り込み、また、知識的思惟作用が映画的表現を得るかどうかも試みるために、映画語(キノ・ザッツ)の実験も考えたのであった。
『十分間の思索』………責任構成 中井正一
撮影 安藤春蔵
『海の詩』………………責任構成 辻部政太郎
撮影 安藤春蔵