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はなのたより

花のたより

宮本 百合子

「社会評論」1935(昭和10)年5月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,279 字 · 12 页

青空文庫

の娘の人の胸を打った進歩への献身の実例がある。後の方の例を滅薙せんとする法規を改正し得ても、前者のような芽生の優生学上から見てのくされを如何ともなし難いところに、戦勝談からはもれている現実の力つよい示唆が潜んでいることを感じるのである。

近頃婦人ばかりの名を連ねて結成された二つの会が、世間の注意をひいた。一つは娘の自殺によってひびだらけであった家庭生活が崩壊した元の桜内代議士夫人その他があつまってこしらえた「女ばかりの株式会社」であり、他の一つは、理学博士、医学博士というようなひとの夫人の一部によってこしらえられた「断種協会」である。

女ばかりの株式会社は、要するに御亭主の支店のようなものであり、女の細心で儲けて見せますというたちのものである。大阪辺では女ばかりの株式会社も既に珍しくはないであろう。アサヒグラフか何かに、この女株式会社の女重役連の顔合わせの宴会の写真がのっていた。私はその写真を見て、立派な裾模様の上にのっている白粉の濃い女の顔の表情に、衣裳によって引立てられるほどの美も漂っていないのに或る感想を刺戟されたのであった。

断種協会は、この社会の不幸である悪質の病気、アルコール中毒等の遺伝から子孫を防衛するために、そういう変質者、病人の断種を人道上の常識としようとする科学的立場によって、組織さ