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ねぎ

葱

芥川 竜之介

作家在截稿前夜拼命写小说,但咖啡馆里有个女侍叫阿君,漂亮得不行,居然被客人起了个外号叫“通俗小说”?这绰号背后藏着什么故事呢?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,150 字 · 16 页

青空文庫

連中が、傲然と俗衆を睥睨している。だからこの上明瞭な田中君の肖像が欲しければ、そう云う場所へ行って見るが好い。おれが書くのはもう真平御免だ。第一おれが田中君の紹介の労を執っている間に、お君さんはいつか立上って、障子を開けた窓の外の寒い月夜を眺めているのだから。

瓦屋根の上の月の光は、頸の細い硝子の花立てにさした造花の百合を照らしている。壁に貼ったラファエルの小さなマドンナを照らしている。そうしてまたお君さんの上を向いた鼻を照らしている。が、お君さんの涼しい眼には、月の光も映っていない。霜の下りたらしい瓦屋根も、存在しないのと同じ事である。田中君は今夜カッフェから、お君さんをここまで送って来た。そうして明日の晩は二人で、楽しく暮そうと云う約束までした。明日はちょうど一月に一度あるお君さんの休日だから、午後六時に小川町の電車停留場で落合って、それから芝浦にかかっている伊太利人のサアカスを見に行こうと云うのである。お君さんは今日までに、未嘗男と二人で遊びに出かけた覚えなどはない。だから明日の晩田中君と、世間の恋人同士のように、つれ立って夜の曲馬を見に行く事を考えると、今更のように心臓の鼓動が高くなって来る。