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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

两个男人去登比叡山,一个像方形石头,一个像细长竹竿,一路斗嘴。可山没变,他们心里的那点事却慢慢浮出来了。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 198,559 字 · 401 页

青空文庫

立ち枯れの秋草が気紛の時節を誤って、暖たかき陽炎のちらつくなかに甦えるのは情けない。甦ったものを打ち殺すのは詩人の風流に反する。追いつかれれば労らねば済まぬ。生れてから済まぬ事はただの一度もした事はない。今後とてもする気はない。済まぬ事をせぬように、また自分にも済むように、小野さんはちょっと未来の袖に隠れて見た。紫の匂は強く、近づいて来る過去の幽霊もこれならばと度胸を据えかける途端に小夜子は新橋に着いた。小野さんの世界にも劈痕が入る。作者は小夜子を気の毒に思うごとくに、小野さんをも気の毒に思う。

「阿父は」と小野さんが聞く。

「ちょっと出ました」と小夜子は何となく臆している。引き越して新たに家をなす翌日より、親一人に、子一人に春忙がしき世帯は、蒸れやすき髪に櫛の歯を入れる暇もない。不断着の綿入さえ見すぼらしく詩人の眼に映る。――粧は鏡に向って凝らす、玻璃瓶裏に薔薇の香を浮かして、軽く雲鬟を浸し去る時、琥珀の櫛は条々の翠を解く。――小野さんはすぐ藤尾の事を思い出した。これだから過去は駄目だと心のうちに語るものがある。

「御忙しいでしょう」

「まだ荷物などもそのままにしております……」