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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

两个男人去登比叡山,一个像方形石头,一个像细长竹竿,一路斗嘴。可山没变,他们心里的那点事却慢慢浮出来了。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 198,559 字 · 401 页

青空文庫

糸子も黙然として立っている。

「少しは分ったかい」と母が聞いた。

甲野さんは依然として黙している。

「これほど云っても、まだ分らないのかね」

甲野さんはやはり口を開かない。

「糸子さん、こう云う体たらくなんですから。どうぞ御宅へ御帰りになったら、阿父さんや兄さんに御覧の通りを御話し下さい。――まことに、こんなところをあなた方に御見せ申すのは、何ともかとも面目しだいもございません」

「御叔母さん。欽吾さんは出たいのですから、素直に出して御上げなすったら好いでしょう。無理に引っ張っても何にもならないと思います」

「あなたまでそれじゃ仕方がありませんね。――それは失礼ながら、まだ御若いから、そう云う奥底のない御考も出るんでしょうが。――いくら出たいたって、山の中の一軒家に住んでいる人間じゃなし、そう今が今思い立って、今出られちゃ、出る当人より、残ったものが困りまさあね」

「なぜ」

「だって人の口は五月蠅じゃありませんか」

「人が何と云ったって――それがなぜ悪いんでしょう」

「だって御互に世間に顔出しが出来ればこそ、こうやって今日を送っているんじゃありませんか。自分より世間の義理の方が大事でさあね」