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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

两个男人去登比叡山,一个像方形石头,一个像细长竹竿,一路斗嘴。可山没变,他们心里的那点事却慢慢浮出来了。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 198,559 字 · 401 页

青空文庫

藤尾は不平である。

「想像すると面白い画が出来ますよ。どんな所としたらいいでしょう」

家庭的の女子には、なぜこんな質問が出てくるのか、とんとその意を解しかねる。要らぬ事と黙って控えているより仕方がない。小野さんは是非共口を開かねばならぬ。

「あなたは、どんな所がいいと思います」

「私? 私はね、そうね――裏二階がいいわ――廻り椽で、加茂川がすこし見えて――三条から加茂川が見えても好いんでしょう」

「ええ、所によれば見えます」

「加茂川の岸には柳がありますか」

「ええ、あります」

「その柳が、遠くに煙るように見えるんです。その上に東山が――東山でしたね奇麗な丸い山は――あの山が、青い御供のように、こんもりと霞んでるんです。そうして霞のなかに、薄く五重の塔が――あの塔の名は何と云いますか」

「どの塔です」

「どの塔って、東山の右の角に見えるじゃありませんか」

「ちょっと覚えませんね」と小野さんは首を傾げる。

「有るんです、きっとあります」と藤尾が云う。

「だって琴は隣りよ、あなた」と糸子が口を出す。

女詩人の空想はこの一句で破れた。家庭的の女は美くしい世をぶち壊しに生れて来たも同様である。