轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じゃせいのいん
蛇性の婬
田中 貢太郎
雷峰怪蹟
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,880 字 · 54 页
捕卒は縄つきのままで許宣を道案内にして双茶坊へ往って、秀王墻の前になった、高い墻に囲まれた黒い楼房の前へ往った。それはもう古い古い家で、人が住んでいそうには思われなかった。許宣は不思議に思って眼を※(「目+爭」、第3水準1-88-85)っていた。捕卒の一人は隣家へ走って往ってその家の事情を聞いて来た。それは毛巡税と云う者の住んでいた家で、五六年前に瘟疫で一家の者が死絶えて、今では住んでいる者は無いはずであるが、それでも時どき小供が出て来て東西を買うのを見たことがあるから、何人かが住んでいるだろうが、しかし、この地方には白と云う姓の者は無いと云うことであった。
捕卒は家の前に立って手筈を定め、門を開いて入って往った。扉は無くなり簷は傾き、磚の間からは草が生え茂って庭内は荒涼としていて、二三日前に見た家屋の色彩はすこしもなかった。許宣は驚くばかりであった。
捕卒は別れわかれになって室の中へ入った。荒れ崩れて陰々として見える室の中には、人の跫音を聞いて逃げる鼠の姿があるばかりで、どこにも人の影はなかった。別れていた捕卒はいつの間にかいっしょになって、最後の奥まった離屋へ往った。