轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちぬられたかいとう

血ぬられた懐刀

国枝 史郎

「講談倶楽部」1928(昭和3)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,586 字 · 71 页

青空文庫

お信じなされ、お信じなされ」

そういう言葉には確信らしいものが、さも重々しく籠もってもいた。

酒乱の関白

ちょうどこの頃主殿の樓の、華麗を極めた大広間で、関白秀次が喚いていた。

「女は死んだか、自害したか、ワッ、ハッ、ハッ、それもよかろう。死にたい奴は死ぬがよい。殺してくれなら殺してもやろう。たかが卑しい女一人だ! 切ろうと縊ろうと俺のままよ! これこれ死骸を片付けろ! 目障りだ目障りだ持って行け! ……さあさあ酒だ! 酌をせい! 今夜は徹夜で飲み明かす。お前達も飲め、俺も飲む」

蒼白の顔色、充血した眼、釣り上った眉、歯を剥いた口、これが関白たる貴人であろうか? そんなようにも思われるほどに、すさみにすさんだ容貌である。髪を茶筌に取り上げて、練絹の小袖を纏っている。盃を握った右の手が、ブルブルと恐ろしく顫えている。癇をつのらせている証拠である。

金泥銀泥で塗り立てられた、絢爛を極めた盃盤が、無数に立てられた銀燭に照らされ、蒔絵をクッキリと浮き出している。朱色に塗られた長柄の銚子が、次から次と運ばれて来る。床の間には黄金の香炉があって、催情的の香の煙が、太い紐のように立っている。