轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
「冨士」講談社 1939(昭和14)年9月~12月中絶、「血煙天明陣」桃源社 1970(昭和45)年に付載して完結公刊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,970 字 · 176 页
「栞殿」
と、やがて左門は云った。
「拙者、先ほど、阿婆擦れた女などが、そなたの恋人へ附きまとうやもしれずと申しましたな。……お浦こそその女子! ……しかし、そなたの、頼母殿を想う念力強ければ、お浦など、折伏すること出来ましょう! ……弱ければ、折伏されるまでよ! ……お浦!」
と、お浦を、不愍そうに見詰め、
「そちの頼母殿への執着、浅間しいともいえれば不愍ともいえる! ……しかし思え! そちの命は助からぬやもしれぬ。死に際を潔うせよ! ……栞殿へ恋を譲れ! ……そこまでに強い想い、譲るは辛いであろうが、譲れば、かえってそちの煩悩、まず第一に救われるであろうぞ! ……栞殿も救われ、頼母殿ものう。……栞殿は無邪気な処女、頼母殿を、荒んだ仇し女などに取られるより、まだしも栞殿に譲った方がのう。……さりながら、女の世界での出来事は、男の世界からはうかがいしること出来ぬわい! そちたち委せ! ……おさらばじゃ!」
刀を引くと立ち上がり、紙帳の側面へ身を寄せたが、
「二人ながら安心いたせ! 二人の希望を叶え、拙者、五郎蔵はじめ、五郎蔵の乾児どもを、斬って斬って斬りまくり、頼母殿の命はきっと救う! ……注意いたせ!」