轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちまんだらしちょうぶし

血曼陀羅紙帳武士

国枝 史郎

「冨士」講談社 1939(昭和14)年9月~12月中絶、「血煙天明陣」桃源社 1970(昭和45)年に付載して完結公刊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,970 字 · 176 页

青空文庫

逃げた乾児どもは、頼母のいる紙帳の裏側まで来、そこに集まっていた七人の仲間とぶつかった。頼母に向かっていたその七人の乾児どもは、逃げて来た十数人の仲間の渦中に捲き込まれ、これも狼狽し後から左門が追って来るとも知らず、これは左手の方へ逃げだしたが、血刀を振り冠った左門の姿を見ると、仰天し、悲鳴を上げ、四方へ散り、紙帳から離れた。その乾児どもを追って、左の方へ走り出した頼母は、パッタリ左門と顔を合わせた。

「左門氏、ご助力、忝けのうござる!」

「黙らっしゃい!」

と左門は喝した。

「貴殿と拙者とは讐敵同士! 恩には着せぬ、恩にも着たもうな!」

「…………」

もう二人は別れていた。

左門に追われて逃げた十数人の五郎蔵の乾児たちは、紙帳の角から少し離れた辺りで一団となり、左門を迎え撃つ姿勢をととのえた。しかし左門は物の数ともせず、駆け寄ると、以前と同じく、左端にいる一人を斬り斃し、返す刀で、もう一人の乾児を斬り伏せ、これに恐怖した乾児どもが、ふたたび逃げ出したのを、紙帳に接近した位置を保ちながら追ったが、ふと、紙帳越しに、頼母の方を見た。頼母は乾児どもに包囲されてい、一人の乾児が背後から竹槍で、今や頼母の背を突こうとしていた。