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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
死んでるものなら、たしかに手の下しようがない。しかし、生きていると、いつ死ぬかわからない。又、どう転落するかわからない。放二はこの部屋の中から記代子の足跡をどうしても見つけだそうと思った。
捜査の手がかりになりそうなものを一つ一つとりだした。
友だちからの手紙。みんな親しい女友だちからである。男からの手紙はなかった。
手紙を一つ一つ読んでみても、手がかりになりそうなものはない、暢気な手紙ばかりであった。放二は差出人の住所を書きとった。
「やっぱし、日記かな」
最後の日付の日記だけカンベンして見せてもらおう、と放二は思った。最後だけじゃア、まにあわないかな。あるいは、最後の一週間分ぐらい。
放二は押しこんだ日記帳をとりだした。そして、頁をパラパラめくって最後の日付をさがした。最後の日が、どこにもない。ないわけだ。全部、白紙であった。元旦すらも。
三
しばらく笑いがとまらなかった。放二は再び日記帳を本棚へ押しこんで、ヒタイやクビ筋の脂汗をふいた。
「これで一応さがしたわけだが」
ほかに捜す場所はなさそうだ。手紙の束をしまうついでにヒキダシをかきまわしてみると、ガラクタにまじってマッチ箱がタクサンあった。