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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
ノサれちゃうわ」
放二は笑って、
「ノサれるような用件ではないのです。あの方のお友だちの住所をきくだけですから」
女の子は喫茶店の名と図をかいて、投げだすように放二にわたした。
七
放二は地図をたよりに喫茶店をつきとめた。同じような店が露路の両側にならんでいて、まよいこんだ放二を見ると、どの店からも女がでてきて、よびとめたり、手を握って引きこもうとした。
めざす喫茶店で、よびとめた女に、放二はきいた。
「お店に、木田敏子さんという方、働いていらッしゃいますか」
「木田敏子? 誰のことかしら。ええ。探してあげるから、遊んでらッしゃいよ。私じゃ、いけないの?」
同じ店から、三人の女がでてきて、放二をとりまいていた。一人がこう云って、敏子のことなど問題にしていないのを、他の二人も気にかけなかった。
「ビール一本、のんでよ。すると、あなたの恋人が出てくるわよ」
「木田敏子さんは、ぼくの知り合いではないのです。どんな方か、お目にかかったこともない方なんです」
「いいわよ。そんなこと。あなた、アプレゲールでしょう。わけの分らないこと、云うもんじゃないわ。ビール一本のんでるうちに、いろんな話ができるじゃないの。