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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
世の中に悪党はいないし、みんな悪党でもある。そして、放二は、人間の裏の心を考えずに、表に見せているものを信用すればタクサンだと思うようにしていた。どんなに裏切られてもかまわない。警戒しても、裏切られるものである。
「命令をうけておりますので、記代子さんに会わせていただけませんか」
こう、たのむと、
「ええ。彼女の返事をきいてきます」
エンゼルはあっさり立去った。
十二
エンゼルは記代子をつれて現れた。
記代子の顔は晴れていた。一礼して、
「いらッしゃいませ」
と言ったが、それは主婦が来客に対する態度であり、言葉であった。
「ごらんの通りですよ。どうぞ御安心下さいと叔父さんや社長におつたえ下さい。記代子はぼくに同席してくれと言いますが、ぼくは遠慮しますよ。どうぞ、御二人で腹蔵なく話し合って下さい」
そして、記代子に、
「話がすんだら、知らせてね」
と、やさしく言いかけて、姿を消した。
エンゼルが去ると、記代子の態度は硬化した。
「私、幸福よ」
まるで宣言であった。
「ハア。ぼくも、野中さんからのお話で、だいたい、そのように思っていました」
放二はやわらかく受けて、