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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
「理窟屋! 無能力者は、そうなのよ。いつも言葉で考えてるわ。私は、考えるのは、イエスとノオをきめる時だけだわ」
そこに再びエンゼル家の個有の思想を放二は見た。
「わかりました。それでは、私の申上げたことを、野中さんとお二人で相談して、御返事をきめて下さい。イエスとノオのどちらかで、結構です。野中さんには、ぼくが説明いたします。およびしていただけませんか」
記代子は放二の執念深さに愛想をつかして、立ち上った。
十四
エンゼルをつれて現れた記代子には、トゲトゲしさが失われていた。エンゼルに甘え、もたれきっている安心が、包みきれぬ喜びの姿で現れているようだ。
放二は記代子にたのんだと同じ言葉で、記代子を長平とせつ子に会わせてくれるようにエンゼルにたのんだ。
「これ、また、難問だな」
エンゼルは手を後頭に組んで、イスにもたれて、微笑した。
「あなたに会うべきか否かについて、さっきあれほど相談の時間を要したのだから、今度も、タダではすむまいて」
「あなたは、どう思うのよ。おッしゃいよ。イエス、ノオ、どちらか一つでいいのよ」
「二つ一しょに言ってもいいと思ってるらしいな」