轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
彼は京都の長平の閑居へ早朝に辿りつくと、まるでわが家のように落ちつきはらって、
「なア。長平さんや。こうして古都の静かな侘び住居で、あんたの顔を見ると、なつかしいなア。余らも老いたり、と思うよ。もっとも、あんたは、老いて益々若い気持かも知れないがね」
自ら小女にビールを命じ、自分で栓をぬき、二つのコップについで、グッと一息にのみほした。
「ヤア、うまい。これが、人生だ。なア、長さん。人生は、たった、これだけのもんだよ。オレが、三四ヶ月前に東京でようやく君をとッつかまえた時にさ、別れぎわに、こう言ったのを覚えているかい。そのうち、一度、京都へ訪ねて行くぜ。なんのためだかオレも知らないけどさ、そのときは、門前払いはカンベンしておくれよな、と言ったのさ。人間は自ら予言するものさ。いや、結局、自分の予感だけの人生しか生きることができないのだな。しかし、そんなことは、どうだっていゝんだ。こうやって、ビールをのむだろう。すると、ほかのことなんか、実にとるにも足らないことになってしまうのさ。なア、キミ。ぼくは、いま、一つのことを悟ったのさ。曰く、老境ですよ。老いて、益々迷い深し。