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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
彼女は救われるかも知れないからさ。なぜなら、汚れが少いから。ぼくは今もなお最も多く彼女を尊敬しているよ」
六
青木に別れて、二人は銀座裏のバーへ行った。長平の二十年来の行きつけの店だ。二階になじみのバーテンが寝泊りしていて二人を迎えてくれたが、営業は夜だけだから、昼は人のくる気づかいがない。
薄暗いなかでジンヒーズをつくってもらって飲んでいると、ノックの音がした。
放二が錠を外して扉をあけると、青木が礼子を案内してきて、じゃア、また六時に、と、自分はそそくさ姿を消した。
この会見のあとで、長平はもう一度青木に会わなければならないのである。宵の六時にもう一度と青木はきかないのである。
「ここで、みんな話をすますわけにはいかないのかい」
長平は面倒がってたのんだのだが、
「いちど、その前に、礼子に会ってやってくれよ。それからぼくは君に会って、胸の中をきいてもらいたいのだ」
青木はそう頼んで、きかなかった。そして六時の会見は、長平のきゝなれない、豪勢らしい料亭が指定されていた。
礼子は一別以来の尋常な挨拶を終ると、放二の方にチラと目をやって、
「こちら、北川さん?」