轻松读懂日语经典作品
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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
必需品はなんであるか、それぐらいのことには気がつくが、特にこの際に必要な、そこまで冷静な計算ができない。血迷ってもいるし、先の目算がたたないせいもある。
夜の家出というものはグアイがわるい。夜中トランクをぶらさげてブラ/\しているのは都合のわるいことが多いものだ。翌日せつ子の出勤をまって、ゆっくり脱出した方が万事によろしいけれどもそれまで待っている余裕が怖しかった。そこで記代子は、何も持たずに家をでることにきめた。
せつ子はさすがに大人であった。家出癖のついた小娘を怒らせっぱなしに放ッとくのは穏当ではない。折れたり、なだめたりするのは愉快なことではないが、対等にみたてて意地をはるのは大人げない話である。折れてみせて優しい言葉の一つもかけてやれば、その場では打ちとける色をみせなくとも、内々鋭鋒はくじけているものだ。
そこで、せつ子は程を見はからって記代子の部屋をノックして、
「どうしてらッしゃるの? あら、カギがかかってるのね。はいっちゃいけないこと?」
「もう、ねています」
「そう。じゃ、私も戻ってねましょう。さきほどは、ごめんなさいね。でも、あれぐらいのことで血相変えて怒るなんて、オコリンボね。