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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
是が非でも取引しようというわけさ」
「悪党ぶるのは、よして。私まで気が変になりそうよ。お金の必要なのは分っていますが、誤解をうけるような言い方は慎しむ方がよろしいのです」
「誰が誤解するだろう? どう誤解したって、ぼくの本心より汚く考えようはないじゃないか。ぼくは金の餓鬼なんだ。これが人間のギリ/\の最低線さ。借りられるものは、みんな借りまくッてやる。なに、ひッたくるんだ。かたるんだよ。かたるだけ、かたりつくして、残ったのが、大庭君だけさ」
「私も大庭さんにあなたの窮状を訴えてさしあげたいと思っております」
「奥さんや。ぼくたちの心の持ち方は、どうも、変だ。不自然ですよ。本心にピッタリしないところがあると思うな。ぼくたちは味方ぶりすぎやしないか。不当に憐れみたがってるよ。ねえ、奥さんや。ぼくは君を売る。君もぼくを売りたまえ。めいめいが自分だけの血路をひらいて逃げ落ちようや」
しかし青木は目に憐れみをこめて、
「なア、奥さんや。あんたは大庭君にふられちゃこまるじゃないか。しッかりやッとくれよ。君自身の血路のためにさ」
すると礼子に生き生きと色気がこもった。
「大庭さんは私を愛しています。