轻松读懂日语经典作品
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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
五
青木は泣き顔をかみほぐすのに長い手間はかからなかった。貧乏もここまでくると、気も強くなる。不意打ちの意外さをのぞけば、さしたる被害でもなかった。
「刀おれ矢つきたり、かね。しかしゲンコと竹槍はあるらしいや。今や追いつめられたる日本軍ですよ。しかし、原子バクダンにしては、小さすぎたな」
と、せせら笑った。
「でも、こまるでしょう」
「こまっているのは、いつもの話さ。今さら、こまることはないやね」
「いいえ。こまる、とおッしゃい」
「ハッハ。あなたも貧乏人だから、この心境はわかるはずだがなア。焼石に水ッて云うでしょうがね。アレですよ。今のぼくには、十円から百万円までは同じゼロですよ。貧乏人にとっては、必要とする金額まではゼロなんだね。お金持みたいに、借金を貯金するわけにはいかないらしいよ」
「でも、あるものが、なくなれば、こまるでしょう」
「焼石に水はマイナスの場合にも当てはまるらしいね」
「こまるとおッしゃい。おッしゃらなければダメなんです」
礼子の顔は怒りにひきしまった。
「あなたは虚勢のために自滅しているのよ。虚勢のために、真実を見ることができないのです」