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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
御引見の栄をたまわりたし、と皮肉な敬語の裏に、おごりたかぶったキザなウヌボレが見えすいている。長平への戦闘意識で、頭の中はモウモウといっぱいだった。
「成功すれば後援者から独立できるのよ。きっと、成功するわ。なぜって、莫大な援助なのよ。事業の成功率なんて、出だしの資金次第だと思うの。事業の実質的な主権を私が握れたらね。それは夢じゃないでしょう。いいえ、必ず実現してみせる。それも、遠くないうちに。そしたら、あなたにも、どんな約束だって、果してあげられるわ。あなたが私のためにして下さった何十倍の物もね」
思いやりを含めたような言い方をしながら、侮蔑、嘲笑が露骨であった。
青木の癇は鋭どすぎて、弱すぎる。関所のニセ手形がゲキリンにふれるのも仕方がないな、と、あきらめて、
「大阪の事業団体て、だれ?」
「極秘よ。まだ、いえない。御想像にまかせるわ。銀行屋さんでも、紙屋さんでも、印刷屋さんでも、高利貸でも」
「すると、その中のどれでもないわけだ」
青木のそんな利いた風な言い方ぐらい、厭気ざしたら、我慢のならぬものはない。
「どこかで、休もうよ」
と、青木が云うのに耳もかさず、颯々と歩きつづけて、