轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まち
街
宮本 百合子
「女性」1927(昭和2)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,689 字 · 37 页
猫背に見える程ベルトを高いところで締めたアメリカ型の外套を着たまま椅子にかけている松崎は、陽気にふき出した。
「なあーんだ! ハッハッ愚にもつかないことでいい年をしながら啀み合っているんだな――それにしても、君んところ、狭いのに大変ですね」
「大変です、寝床低い、それだけ石油沢山いります」
日本語で云って、ジェルテルスキーは額を赧らめ、内気に笑った。マリーナが来てから、寝台を二人の女に譲って、彼は畳の上で寝ていた。布という布をかけても、冬のとっつきの寒さで眼が覚めた。誰が代を払えるのか当のつかない石油がそれ故夜中、ストウブの中で燃やされるのであった。
「いつまで置くんです?」
「さあ――今に帰るでしょう」
「どうも、何だな、そういう点が日本の女と外国の女との偉い違いだな、君、日本の女だったら自分の夫に立て替えた金が返らないって、友達の家へころげこむ者は無いですよ、それに、置いてやるものもまあ無いね、私だったら、どやしつけて帰してやる。ハッハッハッハ、君は、義侠心が豊富だとでも云うのかなハハハハ」
「――私は頼まれると断れない気質です――弱い――気が小さいです」