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ぐとくしんらん
西田幾多郎随筆集
西田 幾多郎
西田幾多郎『西田幾多郎随筆集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:愚禿親鸞、我が子の死、国語の自在性。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,908 字 · 14 页
日本語ほど、他の国語を取り入れてそのまま日本化する言語は少いであろう。久しい間、我々は漢文をそのままに読み、多くの学者は漢文書き下しによって、否、漢文そのものによって自己の思想を発表して来た。それは一面に純なる生きた日本語の発展を妨げたともいい得るであろう。しかし一面には我々の国語の自在性というものを考えることもできる。私は復古癖の人のように、徒らに言語の純粋性を主張して、強いて古き言語や語法によって今日の思想を言い表そうとするものに同意することはできない。無論、古語というものは我々の言語の源であり、我民族の成立と共に、我国語の言語的精神もそこに形成せられたものとして、何処までも深く研究すべきはいうまでもない。しかし言語というものは生きたものということを忘れてはならない。『源氏』などの中にも、如何に多くの漢字がそのまま発音を丸めて用いられていることよ。また蕪村が俳句の中に漢語を取り入れた如く、外国語の語法でも日本化することができるかも知れない。ただ、その消化如何にあるのである。
(『国語特報』第五号、昭和十一年一月、第十二巻)