轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
『さいゆうき』のゆめ
『西遊記』の夢
中谷 宇吉郎
「文藝春秋」1943(昭和18)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,947 字 · 18 页
と告白している。
第三世紀というのは、即ちスタインがニヤの古址で発掘したカロシチー木簡の最後の使用者が、流砂に追われてその住居を棄てた時である。ハンチントンがもし『西遊記』の愛読者であったならば、もっと感銘しすぎたかもしれない。
『西遊記』と限らず、この種のいわゆる支那の奇書くらい放恣な幻想がその翼をかって、奔放に虚空を翔けまわっているものも少いであろう。そしてその幻想が『ギリシャ神話』とか『アラビヤ夜話』とかいうものと、何処かかなり深いところで、その情趣を異にしている所以は、その幻想が支那大陸の妖しいまでに広大な自然と融合しているからであろう。
スタインの本を読んでいると、到るところで『西遊記』の情景を見ることが出来る。八百里の間ことごとく火焔につつまれ、それを越えようとすれば黒鉄の身体でもとけてしまうという火焔山では、孫悟空は羅刹女の芭蕉扇にあおられてひどい目にあった。その火焔山は昔孫悟空が天宮を鬧がした時、老君の丹炉を踏倒し、それが地に降って出来たものである。それはなかなか活火山などという生易しいものではないらしい。
安西から北山山脈をこえて、トルファン盆地へ出ると、そこは北に積雪のボグド・ウラ、南はクルック・タグの侵蝕丘陵地帯に挟まれた流出口のない低地である。