轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きく

親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選

山川 方夫

山川方夫『親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選』。同一底本的分册已合并为一书。收入:菊、トンボの死、ロンリー・マン、愛の終り、赤い手帖、暑くない夏、あるドライブ、恐怖の正体、蒐集、ジャンの新盆、博士の目、はやい秋、非情な男、メリイ・クリスマス。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 67,486 字 · 144 页

青空文庫

あわてて、ぴしゃりと扉を閉めた。

「なにをしてるんです? さ、向うで飲もうじゃありませんか、サンバード君」

「……壺だ」と、彼は答えた。「すばらしい壺だ。ボーモン教授、いったいどこで手に入れられたのです?」

「壺? そんなものは私は持ってないが」

小柄で色が白く、女のようなすべすべした肌をもったその民俗学の教授は、どぎまぎと目をそらせた。だが、もはやサンバードは夢中だった。

「おかくしになっても無駄です。私はいま、この目で見てしまったんです」

「いや、でも君、とにかく、私はいまちょっといそがしいので……」

落着かない態度で、ボーモンは一刻もはやくその場を逃れたいような様子だった。サンバードは、しかしがっちりと食い下った。

「お願いです。ちょっとでいい、手に取って眺めさせて下さい。それまで私はここを動きません」

「……ああ! こんなことになるとは!」ボーモンは呪詛するように両手を上げ、ヒステリックに叫んだ。「まったく、だから私は他人たちを家に呼ぶのはきらいなのだ。パーティをまわりもちしなきゃならんなんて、そんなルールなんか豚に食わしてやれ!」

ボーモンは、三十八歳のサンバードより十は確実に年上の、独身で篤学の研究熱心な学者だったが、ひどく人づきあいの悪い男である。