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かいしゃくがくとしゅうじがく

解釈学と修辞学

三木 清

「哲学及び宗教と其歴史(波多野精一先生献呈論文集)」岩波書店、1938(昭和13)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,866 字 · 24 页

青空文庫

修辞学は弁証法を根柢とする形の論理である。修辞学的な形は弁証法的な形である。かかるものとしてそれは単に私に属することなき超越的なものである。「魂が語るや、すでにもはや魂は語らない」(Spricht die Seele, so spricht, ach, schon die Seele nicht mehr.)。言葉がロゴスといわれるのは、それがパトスに対する意味におけるロゴスであることをいうのでなく、かえってそれが超越的なイデー(形)であることを意味するのでなければならぬ。解釈学はディルタイにおいてのごとく全体性の概念を明らかにしたが、その全体性は、その内在論の立場とも関連して、自我ないし体験の全体性の領域に近くとどまっているに反し、最近のゲシュタルト心理学においては全体性は対象的なもの、客観的なもの、したがってまた或る超越的なものと見られていると考え得るとすれば、(Vgl. Martin Scheerer, Die Lehre von der Gestalt, 1931.)、修辞学の論理はかくのごとく解釈学的立場の内在論を破って超出するものでなければならぬ。