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はなしのたね

話の種

寺田 寅彦

「東京朝日新聞」1907(明治40)年9月~1908(明治41)年10月(不定期88回連載)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,082 字 · 64 页

青空文庫

(明治四十年九月四日『東京朝日新聞』)

三

火災と電気

灯用としての瓦斯と電気と、どちらが火事を起しやすいかという事は議論の種になっているが、近頃新しい統計によると、電気から起るのが〇・一五ないし〇・二〇プロセント、瓦斯から起る方が〇・二三ないし〇・四〇プロセントだという。すなわち瓦斯の方が少し悪い事になっている。

航海と無線電信

遠洋航海の途中で船の位地を知るために、正確な時計を要するは誰も知る通り。しかるに長い航海の間にはどんな良い時計でも多少の誤差を生ずるのは免れ難い。この不都合をなくするには陸上の天文台で定めた正確な時刻を無線電信で海上の船に毎朝報じ時計の誤りを正すようにすればよいというので、今度カナダ政府ではこれを実行する事になったそうな。

肉類の中の結核

獣肉中に結核の有無を見るには従来ただこれを切開して吟味するより外に手段はなかったが、近頃ある人がX光線で透して見てすぐに病所の有無を知る事を発見した。

カナリヤの雛

近頃英国で、ある学者が二軒の小鳥屋についてカナリヤが生む雛鳥の雌雄の数を調べてみた処、甲の家では雌百に対し雄が七十七であったが、これに反して乙の鳥屋では雌百に対する雄が三百五十三の大多数を占めていた。