轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ゆうわく

誘惑

芥川 竜之介

一张古旧的天主教日历,引出日本深山里一个神秘洞穴,和一只长尾猴的诡异举动。当猴子开始模仿人类,一场跨越物种的诱惑悄然上演。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,007 字 · 17 页

青空文庫

29

30

31

32

33

それ等の太陽のまわりには地球が又幾つもまわっている。

29

前の山みち。円光を頂いた「さん・せばすちあん」は二つの影を落したまま、静かに山みちを下って来る。それから樟の木の根もとに佇み、じっと彼の足もとを見つめる。

30

斜めに上から見おろした山みち。山みちには月の光の中に石ころが一つ転がっている。石ころは次第に石斧に変り、それから又短剣に変り、最後にピストルに変ってしまう。しかしそれももうピストルではない。いつか又もとのように唯の石ころに変っている。

31

前の山みち。「さん・せばすちあん」は立ち止まったまま、やはり足もとを見つめている。影の二つあることも変りはない。それから今度は頭を挙げ、樟の木の幹を眺めはじめる。………

32

月の光を受けた樟の木の幹。荒あらしい木の皮に鎧われた幹は何も始めは現していない。が、次第にその上に世界に君臨した神々の顔が一つずつ鮮かに浮んで来る。最後には受難の基督の顔。最後には?――いや、「最後には」ではない。それも見る見る四つ折りにした東京××新聞に変ってしまう。

33

前の山みちの側面。鍔の広い帽子にマントルを着た影はおのずから真っすぐに立ち上る。