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いかにどくしょすべきか
読書と人生
三木 清
三木清『読書と人生』。同一底本的分册已合并为一书。收入:如何に読書すべきか、軽蔑された翻訳、書物の倫理、西田先生のことども、ハイデッゲル教授の想い出。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,486 字 · 57 页
正しく読むということは何よりも自分自身で読むということである。マルクス・アウレリウスは彼の師について感謝をもって書いている。「ルスティクスは私に、私の読むものを精密に読むこと、皮相な知識で満足しないこと、また軽薄な批判者が云うことに直ちに同意しないことを教えた」。正しく読むことは自分の見識に従って読むことである。
正しく読もうというには先ずその本を自分で所有するようにしなければならぬ。借りた本や図書館の本からひとは何等根本的なものを学ぶことができぬ。高価な大部の全集とか辞典のようなものは図書館によるのほかないにしても、図書館は普通はただ一寸見たいもの、その時の調べ物にだけ必要なもの、多数の専門文献のために利用されるのであって、一般的教養に欠くことのできぬもの、専門書にしても基礎的なものはなるべく自分で所有するようにするが好い。しかしただ手当り次第に本を買うことは避けねばならず、本を買うにも研究が必要であり、自分の個性に基いた選択が必要である。その人の文庫を見れば、その人がどのような人であるかが分る。ただ沢山持っているというだけでは何にもならぬ。自分に役立つ本を揃えることが必要である。