轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たにまのしじゅうから

谷間のしじゅうから

小川 未明

「赤い鳥 鈴木三重吉追悼号」1936(昭和11)年10月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,044 字 · 7 页

青空文庫

そして、大きないい実を結んでください。」と、しじゅうからは、答えました。

今度は、むべが、友だちについて、語りました。

「かえでさんのこの若芽は、すてきではありませんか。これが伸びたら、きっと枝ぶりがよくなって、このあたりで一番の木になると、あなたは、お思いになりませんか。」といいました。

「たしかに、りっぱな枝ぶりになります。もし、わるい虫がついていたら、私が、取ってあげますよ。」と、しじゅうからが、かえでの木にいいました。

「よくごしんせつにいってくださいました。だが私たちは、冬の間雪と風にさらされていました。しかもここはいちばん吹雪のはげしいところでした。お蔭で虫の卵は、みんな死んでしまいました。」と、かえでの木は、答えたが、その言葉には、元気がみちみちていました。むべはまたしなやかなつるを延ばして、あたかも大空の太陽をつかもうとするように、きらきらと輝いていました。

この日は、遠くでやまばとが鳴き、近くの村では、かっこうとうぐいすが鳴いていました。

そのときから、三月の日数がたったのであります。しじゅうからは、むべとかえでのことを思い出して、飛んできたのでした。