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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
豊島与志雄『豊島与志雄童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:お月様の唄、お山の爺さん、影法師、キンショキショキ、金の目銀の目、銀の笛と金の毛皮、コーカサスの禿鷹、正覚坊、狸のお祭り、手品師、天下一の馬、天狗の鼻、泥坊、天狗笑、長彦と丸彦、ひでり狐、不思議な帽子、彗星の話、街の少年、山の別荘の少年、夢の卵、雷神の珠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 页
先ほどからの騒ぎと、今また、法螺の貝のまねの音を、聞きつけて、下男たちが出て来ました。
顔長の長彦も出て来ました。そしてとうとう、おおぜいで、夜叉王をしばりあげてしまいました。
気を失って倒れている男も、息をふきかえさしてしばりあげました。この男こそ、先日、野原で馬をつれて酒をのんでいたやつでした。
さて、こうなってみると、夜叉王も、さすがに覚悟がよく、すらすらと白状しました。――鞍馬の夜叉王は、鞍馬山のおくにいる賊のかしらでした。堅田の観音様の像のことをきいて、悪いことをたくらみました。それは、観音様を盗み出し、足に泥をぬってもとにもどし、そして手下共にいいつけて、いろいろなことをいいふらし、たくさんおさいせんが集まったところを、盗んでしまおうと考えたのでした。
ところが、夜叉王は、ゆっくりしておられないことになりました。京の都の大臣の所から盗んできた馬を、顔丸の丸彦にうばいとられてしまいましたし、その馬のことをよく知っている坂の上の朝臣が、堅田にやって来られるそうでした。坂の上の朝臣は、もうすぐ来られるはずでしたから、どうあっても、その夜のうちに、馬を取り返し、おさいせんも盗んでしまうつもりで、だいたんにも手下とふたりきりで、忍びこんで来たのです。