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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

豊島与志雄『豊島与志雄童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:お月様の唄、お山の爺さん、影法師、キンショキショキ、金の目銀の目、銀の笛と金の毛皮、コーカサスの禿鷹、正覚坊、狸のお祭り、手品師、天下一の馬、天狗の鼻、泥坊、天狗笑、長彦と丸彦、ひでり狐、不思議な帽子、彗星の話、街の少年、山の別荘の少年、夢の卵、雷神の珠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 页

青空文庫

「おーい……おーい……徳兵衛さーん……おーい……徳兵衛さーん……」

一同はまず、狐の出そうな、そして徳兵衛の姿が見えたという、川の土手の方へやってゆき、それから次に、鎮守の森の方へやってゆきました。

四

徳兵衛は、鎮守様に供えてある、御馳走を腹いっぱいに食べ、酒に酔っぱらって、社殿の床の下に眠っていましたが、ふと眼を覚ましました。遠くの方に、何だかひどく騒々しい物音がして、それがだんだんこちらへやってくるようなんです。

「何だろう」

眼をこすりこすり起き上がって、床の下からはい出して、森の端までいって眺めますと、大勢の人が松明をふりかざし、鐘や太鼓を打ち鳴らし、「おーい……おーい……」と呼びながら、川の土手から、こちらへやって来ます。そして時々、「徳兵衛さーん」と呼んでるようなんです。

「おや、おれの名を呼んでるようだが、おれがどうかしたのかな」

酔っぱらった頭でそんなことを考えながら、彼は自分が今まで何をしていたかも忘れてしまい、騒々しい行列に見とれてしまって、夢でもみてるような気持ちで、そこにぼんやりつっ立っていました。

するうちに、行列はいよいよ近づいて来まして、すぐ眼の前までやって来ました。