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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
豊島与志雄『豊島与志雄童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:お月様の唄、お山の爺さん、影法師、キンショキショキ、金の目銀の目、銀の笛と金の毛皮、コーカサスの禿鷹、正覚坊、狸のお祭り、手品師、天下一の馬、天狗の鼻、泥坊、天狗笑、長彦と丸彦、ひでり狐、不思議な帽子、彗星の話、街の少年、山の別荘の少年、夢の卵、雷神の珠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 页
「チロと一緒なら、行ってもいいけれど……なんでも、好きなことをしていいの?」
女の人の目が、ぱっと大きく光りました。
「ええ、よろしいですとも、なんでも、好きなようにしてください。では、来てくださいますね、チロちゃんと一緒に……ね、来てくださいね」
金銀廟の話
太郎とチロが行った家は、さほど遠くではありませんでした。
海岸に沿った広い道を、自動車は飛ぶように走ります。岬を二つまわって、その向こうの町のはずれ、小高い山のふもとに、二階建ての家がありました。
大きな家で日本室や洋室が、いくつもありました。主人の松本さん夫婦のほかに、下女や下男や馬……そして、一番奥の洋室に、変なふたり……。
ほんとに、変な人達でした。太郎はそこに連れて行かれた時、びっくりしました。
かたすみに、立派な長椅子の上に、十歳ばかりの女の子が座っていました。肩のあたりまでの長さの髪を、宝石のついた、留金でとめ、空色の洋服をつけ、白い絹の靴下をはいていましたが、全体が、ほっそりしていて、口もあまりきかず、からだもあまり動かさず、まるで人形のようでした。
反対のかたすみには、支那服を着た、大きな男がいました。