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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
豊島与志雄『豊島与志雄童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:お月様の唄、お山の爺さん、影法師、キンショキショキ、金の目銀の目、銀の笛と金の毛皮、コーカサスの禿鷹、正覚坊、狸のお祭り、手品師、天下一の馬、天狗の鼻、泥坊、天狗笑、長彦と丸彦、ひでり狐、不思議な帽子、彗星の話、街の少年、山の別荘の少年、夢の卵、雷神の珠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 页
長いくちばしと、短いくちばしと、二つあるんだよ。その鳥が、池のふちに立っていた。おおかたあすこに見えるような、にごった池なんだろう。食べるものがない。鳥はお腹を空かして、池の面をじっと見ていた。けれど、一匹の小さな魚も泳いでいない。それで、長いくちばしは短いくちばしに言ったんだよ。
「おまえ、そのへんのごみの中をつついてみないか。何かいるかもしれないよ」
「いやだ」
と、短いくちばしは答えた。
「こんな汚いごみの中をつっつくのはいやだ。おまえがつっついたらいいじゃないか」
そして二つのくちばしは、喧嘩を始めたんだよ。長いくちばしはお腹が空いて困るから、ごみの中をつっついてみろと、短い方に言うし、短いくちばしは、えてかってなことを言う奴だと、長い方を怒ったんだよ。いつも何かうまいものがあると、長い方が先に食べてしまった。森の中で美しい果物を見つけたり、川の中できれいな魚を見つけたりすると、長いくちばしが先にそれをつっついて、短いくちばしには、皮や骨しかくれなかった。それを、短いくちばしは怒っていたんだよ。
――「だって、いいじゃないか」
と、長いくちばしは言った。