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ごうかばん

豪華版

宮本 百合子

「文学会議」第一輯、1947(昭和22)年4月30日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,981 字 · 4 页

青空文庫

闇の紙で出した部数が多ければ多いほど、これだけ無理をしているのだからと、次期の割当を増している出版協会の割当方法も奇妙だし、きのうの新聞に出たように、原稿料を基準に本の定価をきめる、という物価庁の意見も腑におちない。文化現象としてよりもインフレーション現象としての出版問題の解決はむずかしく複雑であろう。石橋湛山は、編輯者としてインフレーション問題を扱えば、まさか聖書の文句を引用して幼児の如くあらずんば天国に入るを得ず、とあるから国民よ、幼児のごとく政府を信頼せよ、とは書かなかったであろう。しかし大臣となって、いかな魔法のためか、その椅子はぐらつきつつ顛覆しないときまってみると、なかなか人間をはなれた発言をする。物価庁が、原稿料を基準に、という意見を発表するとき、湛山の役所風なヴァリエーションを感ずる。表通りは固めて、裏はふつうという。――

書籍の※を原稿料によってきめるとき、現象的にみれば、高い原稿料を基準にするほど企業上有利であろうから、もしかすれば一般の原稿料はあがる、ということになるかもしれない。けれども、そうして高い本が出ると本屋との関係にかかわっているばかりでなく、文学の世界にじかにかかわって来ている。