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ごうかばん

豪華版

宮本 百合子

「文学会議」第一輯、1947(昭和22)年4月30日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,981 字 · 4 页

青空文庫

作家の実感にかかわって来ている。そして、日本に、民主的な文学ということをいうならば、その文学の問題にかかわっているのである。

日本の近代史は、思えば、畳まれた提灯のようだと思う。ヨーロッパが三百年五百年とかかってその一輪、一区切りずつ動いて来たものが、短く明治以来の八十年にたたみこまれてしまっている。畳みめのせんさくがこの頃やっとはじめられて、ひだの深さの間に近代文学の自我、主体の確立その他の問題が詮議されている。一方に、こうして、先ず用紙割当のための民主的な委員会を作ることは考えずに、原価基準風に、原稿料基準の※書籍をこしらえようとするような文化の非自立性が進行している。しかもこの現象は、探求されている日本文学史上のあらゆる近代性確立の問題の根蔕において繋がっているのであって、買うのはどういう人々だろう。荷風、潤一郎は昨今では闇屋の作家である。と云われている言葉がある。新聞には三千五百円の句集ということが話題にされているけれども、この間の晩、三省堂の店頭に据えられたマイクは、あんなに書籍払底を訴えていた。それを訴える声々は、どれもみんな若かった。