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へんさいじょき
貢太郎見聞録
田中 貢太郎
田中貢太郎『貢太郎見聞録』。同一底本的分册已合并为一书。收入:変災序記、死体の匂い、日本天変地異記。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,162 字 · 59 页
この七月は藤原俊基が関東を押送せられた月で、「参考太平記」には、「七月七日の酉の刻に地震有りて、富士の絶頂崩ること数百丈なり、卜部宿禰大亀を焼いて卜ひ、陰陽博士占文を開いて見るに、国王位を易へ、大臣災に遇ふとあり、勘文の面穏かならず、尤も御慎み有るべしと密奏す」とあって、地震にも心があるように見える。
正平年間は非常に地震の多い年で、約百回も地震の記録があるが、そのうちで大きかったのは、五年五月の京都の地震で、祇園神社の石塔の九輪が墜ちて砕けた。十六年六月には山城をはじめ、摂津、大和、紀伊、阿波の諸国に大地震があって、摂津、阿波には海嘯があった。そして最後の二十四年七月にも京都に大地震があって、東寺の講堂が傾いた。それから応永年間も地震の多い年で、約八十回にわたる記録が見える。そのうちで七年十月には伊勢国に大地震があって、京都の地も震うた。三十二年十一月には京都ばかりの大地震があった。
永享五年一月には、伊勢、近江、山城に、同年九月には相模、陸奥、甲斐に、宝徳元年四月には山城、大和に、文正元年四月には山城、大和に、明応三年五月にはやはり大和、山城に大地震があったが、明応三年五月の地震は大和が最も強く、奈良の東大寺、興福寺、薬師寺、法花寺、西大寺の諸寺に被害があった。